男性が育休を取得するまでの迷いとは?私はこうしてマインドチェンジをしました
私はIT系の一般企業に務めるサラリーマン(男性)です。この度、待望の第二子が誕生し育児休業を取得しました。
もともと育休を取得するという考えがまったくなかった私は、妻の妊娠中に「育休を取って欲しい」と言われてから実際に育休を取得することを決心するまでに、いくつかの心の壁を超える必要がありました。
どんな心の壁があったのか、どういう風に考え方を変えたのか
育児がいかに大変であるか認識する。
「育児は大変」これは紛れもない事実。ただ、子持ちの男性の同僚で育休を取っている話は聞いたことがないし、日中は同僚の奥さんが1人で育児しているのだろう。自分も子供が産まれたら、もちろん積極的に育児に関わる意思はあったものの、基本は妻が育休を取って育児をするのだと思っていました。
しかし、このときすでに、妻は私より先に情報収集をしており「育児は1人じゃキツイ」という結論に至っています。だからこそ、私に育休を取って欲しいと言ってきています。妻の要望を理解するためには、育児の大変さに関する認識のギャップを埋める必要がありました。
そこで育児の大変さを認識するため、なにがどのように大変なのかを具体的に知ることから始めました。現代では「育児の大変さ」を発信しているブロガーさんがたくさんいるので、まずはそのようなブロガーさんのサイトを読み漁りました。
ここで注意しないといけないのが、男性は育児を女性がするものという先入観を拭えきれず、ついついどこかヒトゴトとして捉えてしまうことです。言い訳するようですが、私を含め日本に生まれた30代くらいの男性は、親世代の「家事育児は女性がするもの」という価値観のもと生きてきたので、どうしても先入観に邪魔をされます。
かなり多くのサイトを見ましたが、オススメは河内瞬さんというブロガーの記事。男性目線で育児の大変さを発信してくれているので、先入観に邪魔されることなく育児の大変さを理解できると思います。あと、単純に漫画が楽しいです。
仕事が優先か、家族が優先か。もちろん、家族です。
育児が大変ということがわかりましたが、もちろん仕事も大変です。
ここで、次に問題になってくるのは、仕事か家族、どちらを優先すべきなのかどうかということなのです。結論から言ってしまうと圧倒的に家族が優先です。
しかし、普段は仕事が優先なのは仕方がなく、残業が必要であれば残業するし、休日出勤が必要であれば家族の予定より優先して仕事に向かいます。このノリが抜けないまま、ついついなぜだかいつも忙しい仕事を優先してしまい、日本のサラリーマンは育児よりも仕事を優先してしまいがちなのではないでしょうか。私も育休を取得するにあたり、この感覚が邪魔をしました。
数十年におよぶ長い家族との生活のうち、育児期間は繁忙期のピークです。このときばかりは家族を最優先にするべきだし、最優先にしたいです。妻だけに背負わせるのは酷と言うものです。
さらに、昨今、終身雇用制度が崩壊しつつあります。また、転職も珍しくなくなってきました。明日、私がリストラされるかもしれない。明日、上司や同僚が転職するかもしれない。いつ縁が切れてしまうかわからない仕事の人間関係に忖度した結果として、一生モノである家族を不幸にしてはならないです。
人生の目的とは。死を意識することではっきりする。
以下は、以前に読んだ書籍の一節です。
死の床で自分の人生を振り返ったとき、もっと多くの時間をオフィスで過ごせばよかった。あるいはテレビをもっと見ればよかったと悔やむ人は、果たしてどれくらいいるのだろうか。答えは簡単だ。一人としているわけがない。死の床にあって思うのは、家族や愛する者のことである。人は誰かのために生き、最後はその人たちのことを思うのだ。
引用元:書籍「完訳 7つの習慣 人格主義の回復」
この言葉を思い出し「私は、仕事のために生きているのではない、自分と身近な人のために生きている。」ということを強く意識しました。
自分と家族のために仕事をしているのに、仕事を優先して家族を不幸にしてしまっては元も子もないです。育休という法律で定められた制度を利用すれば家族を助けられる。男性が育休を利用するには勇気が必要ですが、その勇気を持ちたいと思いました。
会社のチームメンバーにかける負担は申し訳ない。しかし、課題を分離して考える。
アドラー心理学に「課題の分離」という考え方があります。この「課題の分離」では、コントロールできるのは自分自身のみであり、人の感情や考えはコントロールできないし、人の人生を必要以上に抱え込まなくても良いと考えます。
私が育休を取得すると、仕事のチームメンバーの負担が増え迷惑をかけます。これは本当に申し訳ないと思います。しかし、私の「課題」はここまでです。私が育休を取得したことによって周りのメンバーがどう思うのか、これはチームメンバーの課題です。
私の育休について周りのチームメンバーが実際にどう思ったかは分かり得ないし(聞いてみても返答が本音かどうかが結局のところ分からない)、その事実を受け入れるのもチームメンバー自身です。私が介入してもコントロールすることはできないし、コントールできないことに思い悩んでいてもムダです。
育休を取得することを決めてから、いろいろな仕事関係者に「しばらく育休を取ります」と連絡しましたが、育休を取る!と決めたならば、「課題の分離」の考え方のもと相手の気持ちを想像することはしないように意識しています。おそらく何人かに一人は好意的に受け取っていませんが、だからってどうしようもないので放っておくしかないです。
後日、実際に育休の取得を開始しましたが、ラッキーなことに面と向かって私に文句を言う人はいませんでした。
なお、アドラー心理学の「課題の分離」については、詳しく知りたい場合は書籍の「嫌われる勇気」を読んでみてもらうと良いです。この本は私に影響を与えまくっている超絶良書です。人生の生き方についての示唆が詰め込まれており、何度読んでも発見があります。
さいごに
残業上等で仕事をバリバリやっていた私は、妻から「育休を取って欲しい」と言われてから育休を取ると決心するまで数ヶ月を要しました。育休を取りたいけど一歩を踏み出せない方に、本記事が少しでもお役に立てれば幸いです。
育児休業の取得を開始しました(過去記事)
育児休業を取得するまでの顛末については別の記事になっていますので、よろしければ読んでみてください。
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